色々なことを知り、やがて疑問へ

ひょんなことで宮沢賢治の童話や詩、そして賢治という人物に興味を抱くようになり、賢治の名が付く書籍の数々を読み漁っていた時、小学生時代に見た「賢治の追っかけのようなことをしていたお騒がせ女性教師」の話に再会し、彼女のこと・彼女が「賢治に対してしたこと」を詳しく知ることになりました。

彼女の名は「仮名:内村康江・本名:高瀬露」、小学生時代に知った「一日に何度も押しかけてくる」という話に加えて、

  • 勝手に作ったライスカレーを食べてもらえず、ふてくされてオルガンを乱暴に鳴らし賢治を困らせた
  • 思いが叶わないと掌を返し、賢治を中傷して歩くようになった

という話も目にしたのです。

知りたい人
知りたい人

それは私も知ってる。
お騒がせなんて可愛いもんじゃない、もはやストーカーじゃん…とドン引きしたよ。

私も当初は情けないことにこの話を少し信じてしまい「高瀬露という女性は根っこの人間性に問題のある人なんだな」と感じてしまいました。
しかしこれらのエピソードを繰り返し読んでいるうちに、だんだん賢治の態度に首を傾げるようになったのです。

「迷惑に感じるのであればその時点でそう伝えれば良かったのでは?」
「何も伝えずに居留守を使ったり顔を汚して応対したり押し入れに隠れたりなんて、ちょっと大人げないのでは?」

悪評を信じたままながら内村康江=高瀬露という女性に対して気の毒だという感情を抱くようになりました。
そして次第に「一日に何度も押しかけてくる」という点に違和感を覚えるようになったのです。

「彼女は学校の先生として働いているのに、そんなことが出来るのか?」
「当時の学校の先生って、そんなに時間が有り余っていたのか?」

知りたい人
知りたい人

い、言われてみれば、確かに…。
でもこういう話は賢治と親しかった人たちが伝えてるからなぁ…。

やがてこういう考えが頭をもたげてくるようになってきました。

「もしかしたら、伝えられている話の大半は大げさに作ったもので、実際はここまでみっともない人のように伝えられる筋合いのないレベルのことだったのかも知れない」

知りたい人
知りたい人

賢治と親しい人たちが、話を盛ったとか嘘をついたってことなの!?
…えー、まさかぁ。そんなこと考えにくいけどなぁ。

それから数カ月後、この考えは正しいようだということに気付かされました。
そのきっかけは、書店で何気なく手に取り購入した書籍「図説 宮沢賢治」(河出書房新社)に掲載されていた「賢治をめぐる女性たちーー高瀬露を中心に」と題されたコラムでした。

知りたい人
知りたい人

むむっ、なんだか気になるタイトルだぞ。
そのコラムはどういう内容だったのか…は次の記事で。

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