
前エントリにて掲載予定としていた記事を全て上げましたので、本エントリで当ブログの更新は終了とさせて頂きます。
ブログ2年目では行き詰まりを感じてしまい1年間も更新を停止させ、気持ちをなんとか持ち直して再開した後も、1~2ヶ月の更新停止が基本という調子になってしまいました。
その影響で3年半という運営時間の割に大した記事数ではありません。また文章も拙く、大変ふがいないブログだったと思います。本当に申し訳ございません。
まずこのサイトとブログのタイトルに「猫の事務所」を使った理由をお話しします。
サイト作成中に兼仮タイトルとして、高瀬露の作った短歌にちなんだ「つめ草」を入れたタイトルを掲げていたのですが、それはあまりにもインパクトがありませんでした。
作った本人が失念してしまったほどですから思った以上にインパクトがなかったのでしょう。
しかし他のタイトルにしようと思っても、なかなか良いものが思い浮かびませんでした。
仕方ないからこのままこれを正式タイトルにするか……と妥協しかかった時何気なく読んだのが、賢治の童話の一つである「猫の事務所」でした。
(内容についてはご存じの方が多いでしょうから割愛しますが、ご存じない方はこちらへ)
私はこの童話の主人公かま猫と高瀬露を重ねて見ました。
両者とも知らない所でいわれのない悪評を立てられました。かま猫はそれが理由で唯一の味方であった黒猫からも無視され、今まで以上にひどい扱いを受けてしまいましたが、「なぜ、どうして」などと問いかけもせず、ただ黙って立ちすくみ、涙をこぼしていました。
高瀬露もどんどん広がり信じられていくいわれなき悪評に対して「事実でないことが語り継がれている」と言ったのみでいっさいの反論も弁解もしませんでした。
かま猫と高瀬露はあまりにも置かれた立場が似ている……。
これだ、と思い、サイトとブログのタイトルに「猫の事務所」を使うことに決め、仮タイトルに使っていた「つめ草」はこれまた迷っていたハンドルネームに使うことにしました。
そうして始めたこのサイトとブログを運営している約3年半の間に世間では様々な言葉が生まれましたが、そのうちの一つに「アサヒる」という言葉があります。いわゆるインターネットスラングで、意味は以下の通りです。
*事実でないことをあたかも事実であるかのように仕立てること。
(事実の捏造・ごまかし(言い訳・他者に濡れ衣を着せる行為・綺麗事を並べることなど言い訳番長も含む)・改竄・隠蔽・偽装・捻じ曲げ(ご都合主義・ダブルスタンダード行為も含む)・誇張(誇大広告行為)・はったり・知ったかぶる)
(アサヒる辞書1より・後詳しいことはこちらへどうぞ→◆)
「猫の事務所」の猫たちが讒言でかま猫を陥れたこと、そして高瀬露の悪評と伊藤チヱの過度な賛美も「アサヒる」行為なのではないかと思います。
かま猫を陥れ冷遇した猫たちは「アサヒる」行為の報いとして金の獅子の叱責を受け仕事も地位も取り上げられてしまいますが、高瀬露の悪評を書き立て伊藤チヱを過度に賛美した研究者たちは何も受けることはありませんでした。そして今もまだそのようなことを書く研究者が存在していることはとても残念に思います。
しかし、このサイト・ブログを通じて高瀬露の悪評に対して疑問を抱いている方がたくさんおられることを知り、そういう方々から温かいコメントやメールを頂けたのは大変な収穫・幸福だと思っております。
いち賢治ファンとしてこの問題に意見・感想などを表に述べていくことは本日でいったん離れますが、これからも高瀬露さんの名誉が一刻も早く回復されることを願い続けています。
「2008年中に全記事を上げられそう」と2008年の年明けに書いたことを何とか果たすことが出来たことにホッとしております。😅
お読み下さった皆様、コメントを下さった皆様、メールを下さった皆様に厚く御礼申し上げます。
約3年半の間本当にありがとうございました。
「猫の事務所」調査室・「猫の事務所」調査書 管理人
tsumekusa
頂いたコメント・管理人の返信
お疲れさまでした(風屋) 2008年11月20日
以前コメントしたことのある花巻在住の風屋です。
本当によく調べてらっしゃることに感嘆しました。
本当にお疲れさまでした。
男の心根なんてのは実はとても弱いもの。
女性の方が根っこの芯はしっかりしていると思います。
賢治さんにしても、実はかなり彼女を意識していて、
ともすれば傾きそうな心を必死で保った結果が
過剰に彼女を避ける結果だったような気がします。
彼女の方もそれを感じていて(後年言われたほどではないにせよ)
何やかやと世話をしたく思ったのかも知れません。
現代でも不器用な男女の間でよくあることですよね。
どちらの姿も私には微笑ましく思えるのです。
ところで「高瀬」というのは花巻では知られた名字です。
もし高瀬一族であるなら賢治さんの母親であるイチさんの
実家のすぐそばにお住まいだったのではないかと思います。
当時としてもそれなりの家格だと思いますから
賢治さんの行状を好ましく思っていなかった両親が
少しでもまっとうな家庭を築いてもらおうと
よく知る露さんをバックアップしたとも考えられます。
いずれにせよ、
金持ち一族の宮沢家に対するやっかみは現代にも続くもの。
特に男女のウワサは何倍にも尾ひれがついてまわります。
(今でもその傾向はあります)
露さんも、そして賢治さんも、
そんな田舎の雰囲気の犠牲者だったのかも知れません。
少なくとも生前の清六さんは、賢治さんを巡る女性問題を
「よくある、ごくつまらんことです」
と一言で済ませていました。そんなものでしょう。
また新しいテーマで書き続けられることを期待しています。
ありがとうございました(ポラン) 2008年11月21日
tsumekusaさん、お疲れ様でした。
そしてありがとうございました。
tsumekusaさんの投じた一石がやがて大きな波紋となって広がることを願います。
これまではきっと、少し疑問に思う人がいたとしても
恐れ多くて声を大にしては言えなかった、あるいは
適当にもみ消されてしまったのかもしれません。
私はこのサイトと出会えて、愕いたと同時にほんとうにうれしく思いました。
これでブログは終えられるということで、淋しいですが、ぜひまた、違った形ででも、何かを発信してください。
本当にありがとうございました(tsumekusa) 2009年9月18日
風屋様、ポラン様、コメントありがとうございました。
せっかくのコメントを10ヶ月も放置してしまい、
またきちんとしたレスも出来ず大変申し訳ございません。
お読み頂いたこと、コメントを下さったこと、
もったいないお言葉を下さったこと、
とても感謝しております。
本当にありがとうございました。
改めてありがとうございました(詰草あきか(tsumekusa)) 2025年7月1日
当時諸事情によりきちんとした返信ができませんでしたので、この機会に風屋様とポラン様に改めての返信と御礼を申し上げます。
風屋様
花巻電鉄・地元での当時の賢治の評判・露さんのご実家の家格など、遠方に住んでいる私には知り得ない興味深いお話をお寄せくださり、ありがとうございました。
今回いただいたコメントの内容もとても興味深いものでした。
賢治と露さんのことも、実際は本当に他愛の無かったことだったのかもしれませんね。
ポラン様
当ブログ運営中ずっと応援してくださり、ありがとうございました。本当に心強かったです。
当ブログを始める時私も少し怖い気持ちがありましたが、思い切って発信して良かったと思っています。15年休んでしまいましたが、露さんの通説に対して疑問を抱く人がもっと増えることを願って発信を続けて参ります。
お二人のコメントで記事の内容のヒントを頂いたこともありました。
改めて厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
- 管理人の「アサヒる辞書」に対する心証が変わったため、リンクは切らせていただきました。「アサヒる」の詳細に関してはGoogleの検索結果を貼付させていただきました。ご了承ください ↩︎