悪評の原因について考える(4)

悪評が出た原因とは何か

幾度も書いて来たことですが、高瀬露の悪評の出所は高橋慶吾氏です。では、なぜ高橋氏は高瀬露の悪評を流すなどということをしたのでしょうか。

理想主義者だが足が地についておらず自己顕示欲が強い高橋氏の性格と、「後輩や若い人には、先輩としての義務観から忠告や注意をして誤解されるようなこともあった」という高瀬露の一面がその理由の鍵を握っている気がします。

つまり、高橋氏も高瀬露の忠告や注意を受けて高瀬露を誤解してしまった一人なのではないでしょうか。高瀬露が高橋氏に忠告や注意をするようなことといえば、教会通いのことと、おそらく生活態度でしょう。

誤解されてしまうような忠告や注意の仕方といえば相手の細かいことにまであれこれと口を出してしまうようなやり方です。悪く言えば「おせっかい」です。普通の人でさえ煩わしく思ってしまいます。
まして高橋氏のような性格を持つ人ならそのような忠告・注意をする人をことさらに煩わしく思うことでしょう。相手が女性であれば(年上であるとはいえ)それは尚更のことです。教会通いの縁で顔を合わせていくうちに、高橋氏にとっての高瀬露は「ちょっと煙たい人」から「あれこれと口うるさい、鬱陶しい腹立たしい女」に変わっていったのではないでしょうか。

高橋氏が高瀬露の悪評を話し始めたのも、「腹の立つ女だからちょっと悪く言ってやれ」なんていう程度の考えだったのではないかと思います。
「俺は賢治先生のことを何でも知っているんだぞ」という自己顕示欲を満たすために高瀬露を利用したような感じもします。

高橋氏は最後に「然し女(引用者注・高瀬露のこと)も可哀想なところもあるな」と話していますが、これは高瀬露をフォローするというよりもただ単に、俗に言う「ええかっこしい」な考えから出た言葉のような気がします。

とはいえ、……許せるものではありませんが高橋慶吾氏はあくまでも高瀬露を「悪女」にする気はなく「ちょっと勘違いした困った人」で済ませようと考えていたのではないでしょうか。

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